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2015年6月
極夜、MWF、南極教室、星空とオーロラ

Report:Tomoyuki Fujisawa

場所:昭和基地

第56次隊の藤澤 友之氏が、昭和基地から現地の様子をレポートしてくれました。

藤澤氏レポート

極夜

ついに極夜に突入しました。
これからひと月半の間は太陽が昇らない夜だけの毎日が続きます。
極夜というと毎日夜だけで一日中真っ暗というものを想像していましたが、昭和基地では明るくなる時間もありました。
太陽が一番高くなるお昼を挟んだ数時間は、地平線のすぐ下まで太陽が昇ってくるので日本の早朝に太陽が昇る直前のような明るさになります。

6月6日のお昼の写真。
日が昇っているように見えますが太陽の蜃気楼です。
たった数時間ですが、この明るい時間のお蔭で
一日中夜ではなくて短い昼間があるように
感じることができて元気が出ます。


6月6日のお昼の写真。日が昇っているように見えますが太陽の蜃気楼です。たった数時間ですが、この明るい時間のお蔭で一日中夜ではなくて短い昼間があるように感じることができて元気が出ます。

午後7時頃の写真。白く光っているものは降雪です。


午後7時頃の写真。白く光っているものは降雪です。

MWF(Mid Winter Festival)

南極大陸にある世界各国の基地では冬至(北半球では夏至)の最も夜の深い時期にMid Winter Festival(極夜際)というお祭りを同時に開催します。
各国の基地は離れているので、お互いの基地を来訪したりすることはできませんが、越冬している隊員が写ったグリーティングカードを交換したり、Film Festivalといってショートムービーを撮影して、各国で投票して優秀な作品を選ぶといった企画もありました。

昭和基地のグリーティングカード。

昭和基地のグリーティングカード。


昭和基地でも6月18日から22日の約一週間は毎日行う観測業務などを除き、休暇扱いとして隊員たちが企画した様々なイベントを楽しみました。

南極教室

私の住む横浜市にある小学校に向けて南極教室を行いました。
南極教室というのは、昭和基地と日本の学校を衛星回線経由のインターネットで直接接続してリアルタイムで南極のことを観測隊員が説明するものです。

南極教室は1年間で20校以上実施される予定で、これまでもスタッフとして参加してきましたが、今回は私が司会者として45分間の説明のほとんどを担当しました。

管理棟の食堂から中継をしている様子。

管理棟の食堂から中継をしている様子。


南極の景色や写真に子供たちから歓声が上がり、南極と日本が繋がっているという実感がありました。

星空とオーロラ

極夜に入ったので午後5時くらいになると、雲の無い日は星空がきれいに見えます。
しかし、オーロラは太陽の位置の関係で夜に出現しやすいので、これまでと同じ午後8時以降の遅い時間に出ることが多いようです。
オーロラが出そうな夜は夜更かしして写真を撮っています。業務時間帯にオーロラが出ても写真を撮れないので、そんな日にオーロラが出ない時は、嬉しいようなそうでないような気持ちです。

『6月8日にインターバル撮影したオーロラ』(動画30秒)