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我々、ネットワークインフラ事業本部は、携帯電話などのキャリアの通信設備や、自治体の防災無線、あるいは地上波テレビの放送設備といった、通信インフラ全般を構築・運用する部隊です。
会社創設から50 年以上も続くインフラ工事を行っている組織なので、良くも悪くも昔からのやり方が定着していたのですが、最近になって様々な“壁”によって弊害を感じることが大きくなっていました。
まず大きかったのは、縦割りの事業組織による「組織の壁」。情報や人材といったリソースが共有されていないために、特定の時期に特定の部署だけ忙しくなるといったこともありました。
また、同じ技術を担当している社員でも、組織の配属が分かれてしまうと技術情報やノウハウの共有など情報交流があまり図られていませんでした。
さらに、こうした壁が存在していたのは、組織間だけではありません。
事業部長、マネジメント層まで、現場の状況が迅速に伝わってこないといった「階層の壁」、年代にバラツキがあり、ベテランの持つ技術やノウハウといった知識の伝承が進まないといった「年代の壁」。さらには、現場に行く人が固定化され、マネジメントと現場が離れてしまうことで、マネージャーには現場の声や様子がタイムリーに伝わってこないといった「距離の壁」が存在していたのです。

このような壁をなくし、人と情報の交流を促進するにはどうしたらよいのか。
若手を中心に、何度も議論を重ねていった結果、たどり着いた結論は、「見える化を推進し、組織を越えた機能別での連携環境をつくる」ことでした。
具体的には、なるべくキャビネットやパーティションといった物理的な壁を取り払った上で、オフィスを組織単位ではなく「設計」「施工」「品質管理」といった機能別に配置。業務フロー上、関係の深い部署を隣接させ、間に「レビューゾーン」を置くことで、自然と情報が流通されるように配慮しました。また、部長以下のひな壇を廃止し執務エリアへと移動。
「報告を待つ」のではなく「情報を取りに行く」よう、マネジメントスタイルの変革を推進しています。
さらに、お客様先の施工現場とオフィスをつなぎマネジメントや安全品質管理を強化する「PSCC:Project
Supervisory and Control Center」をフロアの中心へ配置。オープンな環境で本社から遠く離れた現場の状況を誰もが見ることのできる状況をつくり出しました。
まだ取り組みを始めたばかりなので、効果が表れるのはこれからですが、オープンなオフィスの中で、技術的なノウハウの交流や負荷の平準化、組織をまたいだプロジェクトや提案など、新しい動きが起こるようにこれからも改革を継続していくつもりです。


設計業務も抱えるネットワークインフラ事業本部では、移転を機にペーパーレス化にも取り組んでいます。
以前は島型対向レイアウトで個人が自分のデスクをそれぞれ持ち、デスク上や足元に大量の紙文書を蓄えていました。
しかし、オフィスのスリム化と情報共有を推進するには“紙文化”から脱却する必要があります。
そこで、同事業本部では、社員の個人荷物にダンボールひと箱分という制限をかけ、それ以外の書類は移転前に処分しました。
保管しきれなかった紙書類は、当社のデータセンターのサービスを活用し、文書をデータ化して保存。
また、オフィスで保管する文書についても保管ルールを決め、それ以外のものについては社外の倉庫で保管しています。
データ化した文書は、組織を横断して使えるようになり、情報を共有する意識や文化が急速に浸透しつつあります。
プロジェクターやディスプレイを活用しながら会議や打ち合わせを行うなど、まさに紙を使わない働き方へと変わりつつあります。


オフィス内のPSCC には朝、昼、そして夕方の3 回、お客様先の施工現場責任者の社員から作業内容確認や報告が入ってきます。
現場へは可搬型カメラを内蔵したジュラルミンケースが持ち込まれており、携帯電話の通信で映像と音声での連絡が入ります。
PSCC 側で待機している施工や品質管理分野で経験豊富なベテラン社員たちは、「今日の作業内容を報告してください」と問いかける。ここでやりとりされる内容は作業進捗報告だけではなく、危険予知の確認から施工ノウハウにまで及びます。
「その格好だと、工具を落とす可能性があるぞ!」、「工具の落下防止紐は必ず着けて作業すること」。
こうした会話を複数の現場と取り交わしながら現場の状況を見て、その時に必要な判断と適切な指示を行っているのです。
現場の状況を見える化し、誤ったオペレーションが起こらないようにチェックするとともに、ベテラン社員たちが蓄積してきたノウハウを現場の若い担当者たちに伝えています。
これにより、お客様現場の安全と品質を二重三重に担保。さらには施工現場と管理側、ベテラン社員と若手社員の間にあった“ 距離”を縮めているのです。