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2016年11月
南極越冬隊58次隊 柴田勝秀氏 出発直前インタビュー

心境・準備

Q いよいよ出発ですが、今のお気持ちは?
A

いよいよ出発の時が来たという気持ち。7月から国立極地研究所(極地研)に出向して準備をしていますが、最初はあまり実感がありませんでした。だんだん荷造りをしていくうちに実感が湧いてきて、いよいよ今日が来たという感じ。これからどういう生活が行えるか、楽しみです。

Q 家族・同僚からどのような言葉をかけられましたか?
A

家族からは、「家のことは心配しないで、楽しんできなさい。」と。4人目の子供が10月に産まれましたが、その前後は家のことをしっかりやりました。
同僚からは、「当社の南極との関わりは歴代ずっと続いてきており、自分ひとりの力で行けるわけではないのだから、しっかり前から後ろにつなぐ、つながりを大切に仕事をしてきてください。」と言われました。

家族の名前入りヘルメットを持つ柴田氏

家族の名前入りヘルメットを持つ柴田氏


Q 準備で苦労したところは?
A

9月の末が出産予定日で、荷物の積みこみもその時期に重なっており、出産に立ち会うつもりでいたので、いつ産まれるのかということと、自分の準備が重なり、かなりドキドキしていました。
出産はちょうどイベントのない日の夕方でしたので、立ち会うことができました。

Q 持ち物の中で、「これは」というものは?
A

ドローンを持って行きます。気候条件が良いときに飛ばして撮影をしてみたいです。
大型アンテナや建物の上空からの珍しい映像を撮りたいです。

南極での仕事・生活について

Q 南極ではどのようなお仕事をするのですか?
A

多目的衛星データ受信システムの運用・保守を担当します。
この運用は、「れいめい」というオーロラ観測衛星のデータ受信とVLBI(超長基線電波干渉法、注)観測を行います。「れいめい」は週に1回程度の受信。VLBIは年に数回。VLBIは始まると24時間とか48時間連続して観測します。
観測に支障が出ないよう、大型アンテナのグリスアップ等のメンテナンスも行います。

(注)VLBI(Very Long Baseline Interferometry)
数十億光年の彼方にある電波星からの電波を、地球上の複数地点で受信し、その到達時刻の差から各地点間の距離を割り出す。

参考:昭和基地NOW!! VLBI観測 -天体から伝わる地球の動き-(2016年2月17日~18日)
new windowhttps://www.nipr.ac.jp/

抱負・決意

Q 抱負・決意を教えてください
A

一番怖いのはけがをすることです。自分の代わりもなかなかいないし、自分がけがをすると他の方に迷惑をかけてしまうので。みんな同じですが、体に気を付けてしっかり自分のミッションをこなしてゆきたいです。また、せっかくの機会なので、仕事以外のところも楽しんで生活し、いろいろなことに挑戦したいです。仕事・作業・役割はいろいろあるので、垣根を越えて、業務を超えて挑戦して行きたいです。