ステークホルダー・ダイアログ 2015

NECネッツエスアイグループが果たす社会的責任についてご紹介します

2015年ダイアログの概要

IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表の川北秀人氏を迎えて、当社執行役員の
坂梨恒明、CSRコミュニケーション部と、 当社の事業活動とそれに関わるCSR活動についての対話(ステークホルダー・ダイアログ)を行いました。

開催概要

  • 開催日 2015年7月24日(金)
  • 場所  NECネッツエスアイ 飯田橋本社
  • 出席者
    社外有識者  川北 秀人氏
    IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表

NECネッツエスアイ参加者
坂梨 恒明  CSR推進担当 執行役員
稲葉 誠一  CSRコミュニケーション部長
山本 清一郎 CSRコミュニケーション部 グループマネージャー
中條 貴美  CSRコミュニケーション部 課長

対話の概要

(川北氏)
貴社のCSRの取り組みをご紹介いただき、ポイントは、“従業員の働き続けやすさ”の向上と、 CSR調達だと感じました。“働き続けやすさ”の向上には、その阻害要因を特定して対策を打つことが不可欠です。 具体的には、メンタルヘルスを含めた健康面の問題の低減、従業員の退職理由として無視できなくなりつつある家族の 介護への対応などの取り組みを挙げることができます。さらに、従業員の勤続年数に男女で差があれば、その差を埋める ためにどうするか。障がい者の雇用についても、雇用率に加えて勤続年数を伸ばすためにどうするか、といった視点での 取り組みも必要です。

(坂梨)
弊社では、職場相談員を任命し、従業員が気軽にいろいろなことを相談できる体制としています。 また、健康管理室を設置し、心身両面での従業員の健康をサポートしているほか、育児等で休職した従業員に対する復職プログラムも充実させています。 また、昨年度初めて開催した介護に関するセミナーには、予想以上の多くの従業員が参加し、ニーズの高さを再認識しました。今回ご指摘いただいた点を 踏まえ、“従業員の働き続けやすさ”を高めるという取り組みを改めて整理し、進めていきたいと思います。

(川北氏)
CSR調達については、ISO20400の発行に向けた作業も進んでいます。CSR推進の視点を織り込んだ サプライヤーの評価やモニタリングが一層重要です。貴社のサプライヤーが、環境や人権、労働安全衛生などについても、適切な取り組みを 進めているかを確認し、場合によっては改善や是正を求めることも必要です。私が第三者意見を担当させていただいている企業の中にも、 サプライヤーの評価項目として、品質・費用・納期だけでなく、環境や社会への取り組みを加えている企業がいくつもあります。 サプライチェーン全体を見渡して、優先的に取り組むべきリスクの評価を行い、サプライヤーとともに、取り組みを進めていくことが重要です。

(坂梨)
当社では、2006年以降、取引開始にあたって、環境管理に関するマネジメントシステムの有無等に ついて確認するプロセスを設けているほか、事業特性上リスクの大きい安全品質、情報セキュリティに関しては、定期的なモニタリングを実施 しています。今回のご指摘を受け、CSR調達の視点で、お取引先との方針共有、改善プロセス強化を検討していきます。

(川北氏)
“働き続けやすさ”の向上とCSR調達は“守りのCSR”ですね。さらに“攻めのCSR”という視点から 重要なのが、“お客さまの生産性向上”という価値創出と、その訴求です。今後、さらなる高齢化にともなって生産人口も加速度的に減少する 日本において、生産性の向上は、企業だけでなく社会の存続を左右する最も重要な課題です。ICTソリューションを提供する企業として、この価値 提供を明確に意識し、成果や事例などの情報発信が重要です。

(坂梨)
当社のオフィス改革コンセプトであるEmpoweredOfficeでは、環境負荷低減を訴求してきましたが、 ワークスタイル改革を実現し、“お客さまの生産性向上”に大きく貢献するものです。自社の事業全般においても“お客さまの生産性向上”という 視点で、価値提供と訴求を進めていきたいと思います。

ステークホルダー・ダイアログを受けて

CSR推進担当 執行役員  坂梨 恒明

今回、川北様から、日本社会が直面する課題を背景に、“守りのCSR”として従業員の“働き続けやすさ”とCSR調達への取り組みの重要性に ついて、また、“攻めのCSR”として“お客さまの生産性向上”という価値提供を強く意識すべきという指摘をいただきました。多くの課題の中で、 優先して取り組むべきテーマを示していただいたもので、大変に貴重なアドバイスとなりました。
いただいたご指摘を踏まえ、各領域での施策のレベルアップを進めるとともに、以下2点を軸に、世界と社会の持続可能な発展に貢献していきます。

  • 当社にとっての重要性の高い課題を特定していく中で、当社が社会に提供できる価値をあらためて整理し、社会課題解決に結びつけていくこと
  • 当社の最大経営資源である“人”について、多様性を組織の中に織り込みながら、その価値を継続的に向上させるための施策を展開していくこと

IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]
代表兼ソシオ・マネジメント編集発行人  川北 秀人氏

対話の中でも申し上げた通り、ICT分野の企業にとっては、自社内での環境負荷削減や社会貢献への取り組みはもちろんのことながら、“働き続けやすさ” の向上、調達先におけるCSRへの取り組み推進の働きかけ、そして、ユーザーにおける生産性の向上は、CSRへの取り組みの中で最も重要性が高い課題と言える。
社会責任とは、本社の主管部署が担当するのではなく、ユーザーやその顧客をはじめとする社会との接点を担う、営業やサービス、メンテナンスご担当の従業員 の方々こそが、日常的かつ積極的に担うもの。情報の安全のみならず、環境負荷の低減や人権への配慮、対応も、ユーザーやその顧客に対する品質保証の一環で あることを、改めて認識していただきたい。 今後は、ユーザーもその顧客も、ますます海外へと拡がることが必至である以上、人的な多様性は、日本人の女性や障碍者だけでなく、多様な文化や価値を持つ 人々が、経営層に提案やアクションを促すことが大切。2020年代を俯瞰して「どの地域で、どれだけのスキルを持つ人員をどれだけ確保し、育成するか」の戦略 も問われる。社会の変化を追いかけるのではなく、見通しと意欲を持ちながら、備え続ける戦略を持って取り組みを進めていただきたい。