2012年8月
第53次隊 作業レポート場所:昭和基地
掲載が遅くなりましたが、53次越冬隊員として、多目的アンテナの保守、観測支援活動を行っている吉岡氏によるレポートが届いておりますので、2月~6月までのレポートをまとめてご紹介いたします。
引き続き、四半期に一度程度の頻度で、様々な南極における活動やできごとを紹介していきますのでどうぞご期待下さい。
吉岡氏レポート
53次南極観測隊吉岡です。
昭和基地でのこれまでの行事を現場の写真を織り交ぜながら報告します。
【これまでの行事】
■隊の公式行事
■多目的アンテナ部門の行事
■隊の娯楽行事
■その他
この中で今回は
にスポットを当てて紹介します。
1.VLBI観測
VLBIとは、Very Long-Baseline Interferometryの略で「超基線電波干渉法」を意味します。これは遠くの星からの電波を複数のアンテナで同時に受信して到達時刻の差を精密に測定、この作業を繰り返すことでアンテナ間の位置を求めることができるものであり、国際的な研究にも応用されています。
例年2月と11月に実施、今年の2月は2/15と2/29に各24時間の測定を行いました。
また、基地局アンテナの月次点検も欠かすことのできない大切な業務です。
2.ネスオイヤ登頂
4/15の休日日課に有志で近隣島のネスオイヤという山(海抜35m)に登頂しました。
天気は良かったですが、マイナス20℃でした。
装備は充実しているので体は寒くないのですが、顔が痛い。
3.オーロラ鑑賞
なかなか天候に恵まれずオーロラを見ることができません。たとえ見ることができても色や動きなどそれほど凄いオーロラとは限らないため撮影するチャンスも多くありません。
そのため、数少ない機会をものにしたO隊員の写真を紹介します。
4.ミッドウィンター フェスティバル
しらせ接岸断念という歴史的事態の越冬幕開けに始まり、ドタバタしている間にもうミッドウィンター* を迎えてしまいました。
おかげさまで、隊も自分も無事故でこの日を迎えることができました。
*ミッドウィンター フェスティバル:極夜(きょくや ~南北の極圏で、一日中太陽の昇らない状態が続く現象。南極で5月末から、北極では11月末から、それぞれ約1か月半続く。(⇔白夜))の時期に南極で越冬している世界中の基地で催されるイベント。越冬が半分経過したことをお祝いして基地間でグリーティングカードを交換、パーティーを開いて今までの疲れを癒します。
今年の目玉はアイスドームで、36次と43次で作成された資料を元に、試行錯誤しながら作成しました。5月は最低気温の記録を更新しましたが、6月になり気温が上がり、氷がなかなか固まらず、途中ブリザードに見舞われ、せっかく作ったアイスドームは雪にすっぽりと覆われて埋没してしまいました。
しかし、我らがアイスドームは潰れておらず、期限ギリギリに完成!
グリーティングカードは、そのアイスドームの中で職業別のユニフォームで撮影しました。
越冬後半も安全作業に徹し、無事に任務を全うできるよう頑張りますので応援のほど宜しくお願いします。
以上、吉岡氏からのレポートでした。
24H耐久での観測作業、お疲れ様でした。(「越冬隊の今」東京編集チーム)
- 追伸 -
8月25日、吉岡氏が南極観測隊員として初の「昭和基地、Jリーグ始球式」に参加しました。等々力競技場(川崎市)で開催されたサッカーJ1の川崎フロンターレと名古屋グランパスの試合にあわせ、昭和基地にて始球式を行いました。詳細は下記サイトよりご覧下さい。
NECネッツエスアイ リリース
川崎フロンターレ「難局物語」イベントサイト
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