2016年1月
第56次隊 藤澤氏からの現地レポート場所:昭和基地
第56次隊の藤澤 友之氏が、昭和基地から現地の様子をレポートしてくれました。
藤澤氏レポート
♦ お正月
昭和基地で過ごす2度目の正月です。
今年は非常階段に設置した除夜の鐘をついて年を越しました。
1月1日は朝から豪華なおせち料理をいただきました。
第57次隊受け入れ準備等で半月ほど休みがなかったので、この日は久しぶりの休日を満喫しました。
♦ 「しらせ」接岸
現在のしらせになって初めての3年連続接岸を果たしました。
昭和基地には港はありませんが、「しらせ」と基地の燃料タンクをホースでつないで、
運んできた貨油を送り込むことができる場所に到着することを接岸とよんでいます。
ここから氷上輸送やヘリコプターによる空輸で物資や燃料を昭和基地に運び込みます。
今年も無事接岸できたことで、夏作業や越冬に必要な物資も全て降ろし、我々越冬隊が持ち帰る物資も全て運ぶことができました。
♦ 引継ぎ作業(西オングル島コリメーション設備点検)
引継ぎ作業の一環として、東オングル島の隣の西オングル島にあるコリメーション設備の点検に行ってきました。
コリメーション設備は大型アンテナに向けて試験信号を送出するものでコリメーションというタワーと
業務用冷蔵庫のような箱に入った設備で構成されています。
毎年この引継ぎの時期に点検を実施しています。
♦ 越冬を終えて
一年間の私の南極 レポートにお付き合い頂きありがとうございました。
基地での生活は想像していた以上に快適で不自由はありませんでしたが、建物を建てたり、
大量の物資を運んだり、様々な安全管理をしたりと大変な苦労が必要だということを知りました。
やはりこれだけ過酷な地で人が生活をするということはとても大変なことなのだと思います。
そして、日本から私を支えてくれた会社の人々や家族に大変感謝しています。
故障の対応時にはいつでもすぐに回答を下さり、私のスキルに合わせ
細やかな注意事項を頂いたお蔭で問題を解決することができました。
それから、私は出発2か月前に二人目の子供が産まれたのですが、
妻が越冬1年間で送ってくれた子供たちの写真は数千枚に及びました。
子供の成長を見ることができないと諦めていましたが、沢山の写真に何度も励まされて頑張ることができました。
南極に来たいという思いでここまで来てしまいましたが、
日本の様々な人々の支え無くしてはとても乗り切れるものではありませんでした。
皆様、本当にありがとうございました。