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2007年11月
南極越冬隊49次隊 熊谷英明氏 出発直前インタビュー
インタビューの様子
出発式の様子
成田空港ロビーにて
集合写真
ご両親ご親戚と
熊谷氏出発
取材後記念撮影
出発直前に突然実感がメラメラと沸いてきた!
- Q いよいよ出発になりますが今の気持ちを教えてください。
- A
昨日までは全然実感がなかったのですが、今日の今になって突然実感がメラメラ沸いてきて、すごく緊張しているのと同時に不安になってきました。
- Q 荷物の準備を昨日されたそうですが、荷造りをしている間に何か感じることがありましたか?
- A
荷物の重量が一人20Kgと言われているのですが、色々吟味しても今時点でオーバーしていそうなので、その点でも大丈夫かな?と心配です(笑)
- Q 昨日はどのようにして過ごしましたか?
- A
部屋の掃除と荷造りで終わってしまいました。
- Q ご家族と食事に行ったりということはなかったのですか?
- A
家族は今日こっち(東京)に来たので昨日はそういうことはなかったです。
「南極行くんだ、すごいね!」
- Q 熊谷さんが南極に行かれるということで、ご家族や友達、同僚からどんな言葉がありましたか?
- A
地元の友達は「南極行くんだ、すごいね!」という感想でしたが、人によっては「何でそんな所行くの?」と言われたりもしました。
後は自分が南極に行くことは2年前に決まっていて、その時に色んな人に話したので反応をあまり覚えていないというのが正直な感想です。(笑) - Q 出発の準備段階で大変だった事など印象に残っていることはありますか?
- A
色々大変なことがありました。特に冬山に泊り込みで実施する観測隊の訓練があるのですが、その時に風邪を引いて熱を出してしまい、冬山に行くには行ったのですが訓練に参加できなかったという事があり、体調面で不甲斐ないところを出してしまったのが残念でした。
- Q それは残念でしたね。今は体調は大丈夫ですか?
- A
はい。今はもうバッチリです!
- Q 観測隊のみなさんは今日オーストラリアへ立った後、観測船しらせで南極まで向かうと思うのですが、船での旅で心配事はありませんか?
- A
日本近海で前もって3日間のテスト航海を体験したので、そこでなんとなく感じはつかめました。
- Q 船酔いなども大丈夫そうですか?
- A
相当揺れるそうなので船酔いするだろうと思いますが、日本近海でのテスト航海では船酔いも無かったのでなんとか乗り切れると思います!
南極でこんな仕事をしてきます!
- Q 南極でのお仕事についてですが、熊谷さんは南極で「多目的大型アンテナ受信システム」の担当や、無人飛行機の操縦の業務をするという風にお伺いしているのですが具体的にはどんなお仕事なのですか?
- A
多目的大型アンテナ受信システムに関しては、もともとNECグループが納めた物で、その保守から運用まで全て担当します。実際にアンテナの整備をしたり、油まみれになってギアに油を塗ったり清掃したりという作業もあります。またアンテナ周りの雪かきなんかもしますよ。
- Q 外での作業が多そうですね。
- A
そうですね。外で作業できる時期は限られているので、そういう時期は衛星受信をするための建物の周りの雪かきもします。設備に関する事は全て実務ということになりますね。無人飛行機については、支援という形で関わる予定です。
- Q 熊谷さんのラジコン話については色々聞いていますよ(笑)
- A
新聞に色々と出ちゃいまして・・最初極地研でそのような無人飛行機(越冬中の大気採集や磁力測定のために飛ばす無人飛行機)があるというのを知らなかったのですが、そういうのを今年南極でやるというのを聞いて、もともとラジコンの飛行機を10年ほどやっている経験があったので「お手伝いしますよ」という話をしたら話が大きくなってしまいまして。(笑)
割と重要な任務のようになってしまいました。
プライベートタイムはラジコンと雷魚ダマシ?
- Q ご自身でもラジコンを持って行かれると聞いたのですが?
- A
個人的にはもともと持って行こうと思っていたので前々からラジコンの飛行機を準備していました。
- Q 熊谷さんが自分で作ったラジコンですか?
- A
はい。バルサ材という木で作ったのですが、昔、昭和基地あった飛行機と同じ型のラジコン飛行機を持って行きます!
- Q プライベートの楽しみの一つになりそうですね。
- A
そうですね。プライベートの楽しみでもあるのですが、今回飛ばす無人飛行機はとても高価な物なのでそれを飛ばす前に自分のラジコン飛行機で練習することもできていいなと思っています。
- Q ラジコンはその1台だけ持っていくのですか?
- A
個人的に持っていくのは2台ですね。
- Q 他にプライベートで楽しみにしていることはありますか?
- A
はい。2つほど楽しみがありまして、一つは自分のラジコンにカメラを積んで昭和基地上空から写真を撮りたいと思っています。もう一つは釣りが趣味で、南極には雷魚ダマシという1m50cmくらいになる魚がいるのですが、是非それを釣ろうと思って今日も釣具屋さんに寄ってから来ました。(笑)
- Q 是非大きい雷魚ダマシを釣って写真送ってください!
- A
はい!自分の身長くらいのを釣りたいです!
南極と日本を結ぶNECネッツエスアイ
- Q 熊谷さん個人の夢としての観測隊員でもありますが、NECネッツエスアイの社員としての観測隊員でもあると思います。NECネッツエスアイの社員としてどんな面をアピールしたいと思っていますか?
- A
それは本当に色々あるのですが、南極の衛星を受信するシステムはNEC製ですし、昭和基地と日本を繋いでいる電話やインターネットなども回線部分を除いたハードウェアの部分は全部NECの装置が入っています。その現地調整や建築はNECネッツエスアイで行ってきたのですが、そういう実績が社内外共にあまり知られていないと思うのでそこをアピールできればと思っています。この南極からのメールはNECのシステムを使って送っていますという風にアピールして行きたいです!
なるべく沢山の情報を発信したいと思っていますので、HPなどで自分の体験を少しでも多くのみなさんに伝えて欲しいです。
「やりたい!やろう!」の熱意で夢を現実に!
- Q ご家族に何かメッセージはありますか?
- A
父親が結構高齢なので体に気をつけて欲しいです。
- Q 最後にこのホームページを見て下さっている方にメッセージをください。
- A
自分が19歳か20歳くらいの時、旧NECテレネットワークス(株)の求人に「南極に行けます」という事が書いてあるのを見て初めて南極に行きたいと思いました。
それから10年近くかかりましたがこうやって実現することができました。
夢を持って「やりたい!やろう!」と思う事は実現できるという事を身をもってみなさんに伝えることができたので、みなさんも夢を持って色んな事に挑戦していって欲しいと思います。 - Q 今日はお忙しい中ありがとうございました。体に気をつけて行ってきてください!
- A
はい。行ってきます!ありがとうございました。