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2014年5月
夏作業から3月末までの活動、南極の自然の様子
Report:Hirofumi Mizuta
場所:昭和基地
第55次隊の水田 裕文氏が、昭和基地から現地の様子をレポートしてくれました。
水田氏レポート
みなさん、たいへんご無沙汰しております。55次隊の水田裕文です。
この記事がアップされるころ、日本は5月の連休の時期でしょうか?
ここ昭和基地は、秋を通り越して冬を迎えつつあります。
思い返せば、あっという間の夏期間でした。といっても昭和基地では、夏でも植物はわずかながらの苔以外は存在しないので、日の長さと日に日に下がっていく気温と雪の多さで季節の移ろいを感じています。
今回は、54次隊と実施した夏作業から現在3月末までの活動や、南極の自然の様子をお伝えします。
昭和基地到着と夏作業支援
12月14日、隊員たちがヘリでしらせから昭和基地に到着すると、それから1月末までは、夏隊と54次隊がともに実施する夏作業期間となります。
夏作業は、終日日が沈まない白夜期に行われ、その気になれば翌日まで作業することもできます。
夏隊はこの一か月半の間にそれまで準備してきた夏作業を一気に終わらせるため、朝から晩まで野外作業が続きます。
ヘリはしらせから飛び立ち昭和基地に向かいます。

不要となった雪上車をトラックで運び、雪に埋もれないようにドラム缶の上に残置します。

電気配線工事は力仕事!気温は5度くらいですが中にはTシャツで作業する人も!

作業場までの移動はトラックの荷台に乗って。頭の中をドナドナの歌が過ります・・・

南極授業では、カメラマンとして国内との中継の映像を届けるため何度もリハーサルを繰り返しました。

多目的アンテナ隊員としてのお仕事
夏作業では、別部門のさまざまな支援を行いながら、本来の業務である多目的アンテナの衛星受信に関する引き継ぎを行います。国内にいるときも実際のアンテナで訓練を行ってきましたが、昭和基地にある実物を見ると、レドームに入っていることもあり、すごく迫力があります。
アンテナを回転させるギア部分のメンテナンスで、
グリスを交換しているところ。
作業はLAN・インテル担当の隊員にも
お手伝い頂きました。

ギアを回すモーターの回転特性を計測中。
アンテナのレドームは太陽光を吸収するので意外と暑かったりします。(室温が30度超えるときも)

高所作業車を使って、レドームのコーティングの剥がれを補修している様子。
見晴らしの良さか、寒さなのか背筋が震えます。

衛星受信は衛星受信棟内にて行います。
写真は測定器を使って正しいレベルが出力されているかを確認している様子です。

夏作業時の休日の過ごし方
夏作業は非常に短い期間に一気に作業を行うため、休みは少なく10日に1日でした。平日も休日も思いっきり体を動かすのが昭和基地の夏なのかもしれません。
南極の自然を全力で感じる男の図。

東オングル島名物胎内岩
ここを潜ると何かイイことあるかも!?

オングル名物ヘリポートサッカー。
写真は54次隊・田仲さんとのマッチアップの様子。

休日だけでなく、仕事終わった後でも元気があればサッカーはできる!記念にみんなでパチリ。

南極といえばペンギン
夏期間中にはまれに、ペンギンが昭和基地に迷い込んだり、近くの海氷を通ったときなどに時々ペンギンと会うことができます。残念ながら昭和基地のある東オングル島にはペンギンの野巣地がないので確実に会えるわけではなく、中にはペンギンの姿はしらせの上で少し眺めただけ、、、という隊員もいます。
管理棟の近くまで遊びにきた3羽

昭和基地が楽しかったのか別の日にまた来ちゃいました。

休みの日に現れるとみんな集まって撮影会。
ペンギンはモデル気分…なのかな?

近くに人がいようが眠ければ寝る
これがペンギンの掟。

自然からの贈り物、オーロラ
南極と言えばオーロラ!ところが、オーロラは24時間出たり消えたりしているのですが、真夏は白夜のため見ることができません。夏隊が帰るころにはようやく夜中は暗くなってきて、強くオーロラが出ればカメラに収めることも可能となります。
しかし、今年は例年になく曇りの日が多く、2月は日照時間が過去最低を記録したそうです。
晴れた夜にはカメラを持って外に出るのですが、思ったほどオーロラの撮影ができる日は多くありません。それでも、かじかむ手と戦いながら撮影した、昭和基地周辺のオーロラの写真をどうぞ。
星と昭和基地とオーロラ。

南極大陸から立ち昇るオーロラ。

大地を照らすほど明るく光るオーロラ。
