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2024年12月
南極越冬隊66次隊 中田康貴氏 出発直前インタビュー

心境について

Q いよいよ出発を迎えますが、今のお気持ちはいかがですか?
A

緊張と、高揚する気持ちの両方です。社内選考に合格したのは2022年の夏でしたが、ここまであっという間だったなと感じています。

Q 入社から現在までのご経歴を教えてください。
A

入社以来、キャリア向けの基地局構築における施工や、基地局装置の評価、またスクリプトの作成などの仕事に従事してきました。社内選考合格後は、衛星測位システムに関する業務に携わり、南極での業務に備えるための経験を積んできました。

new window(注1)衛星測位システム

Q 南極に行くことは、入社前からの目標だったのでしょうか?
A

学生の時に、教員から就職先としてNECネッツエスアイを紹介してもらいました。その際、この「越冬隊の今」のサイトを見て観測隊員の仕事を知り、そのときから、もし入社できたならいつか行ってみたいと思っていました。

インタビュー時の中田氏

インタビュー時の中田氏

南極での仕事・生活について

Q 南極で担当される業務内容を教えてください。
A

VLBI(注2)による測地観測に使用する多目的大型アンテナと、そのデータを受信するシステムの保守・運用です。また、衛星から気候のデータを受信するアンテナ設備(注3)の保守・運用や、移動無線通信システム(BWA)に関する実証実験も担当します。入社から培ってきたノウハウを存分に活かし、しっかり役割を全うしたいと思います。
その他にも様々な支援業務を担いますが、こうした業務を任せていただけるのも、これまでの先輩方の実績によるものであり、身が引き締まる思いです。

new window(注2)VLBI(Very Long Baseline Interferometry):超長基線電波干渉法
宇宙の遠くにある星から届く電波を、地上の複数のパラボラアンテナで受信し、そのタイミングの僅かな差からアンテナ間の位置を求める技術。観測データから、地球の形や向き、プレートの運動などの情報を得ることが可能。

new window(注3)衛星気候モニタリング

Q 南極での生活で楽しみにしていることを教えてください。
A

趣味である写真撮影です。普段、目にする機会のない南極の大自然をたくさん写したいと考えています。アルバム係(注4)を担当するため、一緒に生活する仲間の様子もカメラに収め、記録に残したいと思っています。また、母校のアマチュア無線部と、アマチュア無線ができたら良いなあとも考えています。(注5)

(注4)南極で越冬隊員それぞれが担当する係活動の一つ

new window(注5)南極8J1RL(昭和基地のアマチュア無線局)

Q 南極での生活で気にしていることはありますか?
A

自然にしても人工物にしても、南極には危険なポイントが多数存在するため、注意しなければなりません。また、多目的大型アンテナとその受信システムが設置されている衛星受信棟は、36年も前に建設されたものです。現在活動中の65次の清水隊員やOBの皆さまからいただいた多くの助言を活かし、大事にメンテナンスを行っていきたいと思います。

抱負について

Q 抱負を教えてください。
A

第66次南極地域観測隊の多目的アンテナ担当として、代々引き継がれてきた仕事をしっかり完遂し、次の隊に引き継ぎたいと考えています。また、積極的にコミュニケーションを図りながら隊の仲間と協力し合うことで隊の目標に貢献し、皆で無事に帰国したいと思っています。

Q 最後に、読者の皆様にメッセージを一言お願いします。
A

観測隊員の一員として行う仕事内容やその魅力を、「越冬隊の今」を通して皆さまにお伝えしたいと考えています。ぜひ、楽しみにお待ちください。