2016年

第57次隊 田村氏からの現地レポート

Report:Yoshitaka Tamura

場所:昭和基地

第57次隊の田村 芳隆氏が、昭和基地から現地の様子をレポートしてくれました。

田村氏レポート

みなさん こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。 第57次日本南極地域観測隊に参加している田村芳隆です。

今回はまずはじめに基地での生活等についてレポートしたいと思います。
越冬生活が始まった2月から4月までは夏日課で5月から8月までが冬日課になり、9月からはまた夏日課に戻ります。
夏日課のタイムスケジュールは以下の通りで、休日は日曜日になりますが、 冬日課の場合は土曜日も休日になり朝食と業務開始時刻が1時間遅くなります。

   ♦  07:00~07:30 → 朝食
   ♦  08:00~17:00 → 業務
   ♦  12:00~13:00 → 昼食
   ♦  18:00~18:30 → 夕食
   ♦  18:45~           →  ミーティング

食事は、2名の調理隊員が交代で日本にいるときと同じような食事を美味しく作ってくれて、 休前日の夕食は、テーブル毎に用意される鍋料理やお好み焼き、焼肉などが提供され、いつもに増して会話もはずみます。
調理隊員は、飲食全般を担当していて菓子類や氷菓なども定期的に提供されます。


休前日の食事の一例

風呂は、基本的に毎日入浴が可能となっていますが、生活に使う水は降った雪を利用して造水されているため、 貯水量が少ない際は入浴できない場合もあります。

電気は、2台の大きなディーゼルエンジンの300KVA発電機を500時間毎に交互に運用して発電しています。 また、基地内の暖房に使用される温水等はこの発電機の熱を利用しています。全員で節水、節電に努めて日々の生活を送っています


2台の発電機

次は、生活係についてお話しします。
各種生活係があり、それぞれの隊員がいずれかの係に属して日々の生活が単調にならないように工夫して生活しています。
主に次のような係があります。
農協、漁協、娯楽・スポーツ、ソフトクリーム、シアター、ミシン、木工、図書教養、バーなどです。
農協係は、室内で野菜を栽培し、収穫できた物は食卓に提供され、主にもやしをはじめ、 胡瓜、レタス、水菜などを栽培し、持ち込んだ生鮮野菜が底をついてしまった今、多くの隊員が喜んで食しています。
漁協係は海洋生物調査を担当し、休日に魚釣りを企画しメンバーを募って基地周辺の海上で海氷に穴を開けて糸を垂らします。
基地周辺でよく釣れる魚はショウワギスという魚です。


野菜栽培室

収穫した胡瓜

収穫した野菜

釣り風景

ショウワギス

ソフトクリーム係は、ソフトクリームフリーザーを使用して月に1回作り、 日本で口にするのと同じようにバニラ、ストロベリー、チョコ、抹茶などのバリエーションがあり、 各自自由に食べることができます。この日を楽しみにしている隊員も少なくないようです。
娯楽・スポーツ係は、誕生会やスポーツ大会等のイベントを企画し、定期的に開催して屋内外で様々競技等を楽しんでいます。


月に一度のソフトクリーム

屋外でのスポーツ大会

生活係とは別に当直業務があります。隊員が毎日交代で担当し、 食事の盛り付けの手伝いや配膳、風呂、トイレの掃除や共用場所の掃除とゴミ捨て、 夕食後のミーティングの司会進行などを務めます。食事の盛り付けや配膳等は、 当直に限らず手の空いている隊員も手伝い協力しあって毎日の生活を送っています。
当直の掃除以外に2ヵ月に1回全員で大掃除もしています。


当直の風呂掃除

全員での大掃除

その他、毎月全員で必ず実施していることがあります。それは、消防訓練と全体会議です。
ここに消防署はなく、万一の火災発生時には我々30人の隊員で対応しなければなりませんので、とても重要な訓練です。 全員にそれぞれの役割があり、訓練終了後は全員で反省会を実施しています。
全体会議は月末に開催されます。この会議では、観測系、設営系各部門の当月の報告と翌月の予定を全員で確認します。 また、日常生活において問題点がないか等を全員で確認し話し合っています。


消防訓練

全体会議の様子

次に休日や自由時間の過ごし方をお話します。DVD鑑賞をしたり、 ボードゲームを楽しんだり、部屋でゆっくりする隊員など様々です。 私は氷山を見ながら好きなゴルフの素振りをしたり、他の隊員と雪上に簡易コースを作り、 練習用のプラ製のボールを使用してゴルフを楽しんだりしています。 その他、日本から持ち込んだ 電動のラジコンカーを雪上で走らせています。


海氷に浮かぶ氷山を目の前にしての素振り

休日に他の隊員とプラ製の練習用ボールで雪上ゴルフ

        ここからは、前回の続き6月以降の活動等をレポートします。

 

 

2016年6月

第57次隊 田村氏からの現地レポート

田村氏レポート

♦ 極夜祭(きょくやさい)

6月に入ると極夜期となり7月中旬頃まで太陽が昇らなくなるため日中でも薄暗い感じになります。
また、この時季ここ南極では冬至(MID WINTER)を迎え各国の基地では極夜祭(MID WINTER FESTEVAL)が開催されます。
昭和基地においても数日間にわたり縁日や機械隊員が準備した露天風呂等各種イベントを楽しみました。
また、調理隊員による会席料理、フレンチフルコース料理が振る舞われました。


極夜期の基地主要部

露天風呂

開店前の縁日屋台

調理隊員により振る舞われた料理