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2018年1月
大型アンテナ
Report:Hajime Oishi
場所:昭和基地
第59次隊の大石 孟氏が、昭和基地から現地の様子をレポートしてくれました。
大石氏レポート
大型アンテナ
本号では多目的衛星受信システムの大型アンテナの設備についてお話しします。
多目的衛星受信システムの大型アンテナは、30次隊(1988~1989年)にて建設された歴史ある設備です。
このアンテナは、VLBI(Very Long Baseline Interferometry)という星の電波を受信する観測や人工衛星のデータを受信することに使用します。
アンテナが必要な時に使えるように日常の点検や定期点検を常に行うことが大切です。
この写真では大きさがわかりにくいですが11m径もある大きなアンテナです。
南極という厳しい環境にて使用されるアンテナなので、レドームと呼ばれるカバーに覆われています。
星や衛星の電波を処理する装置が入っている衛星受信棟と呼ばれる建物です。
衛星受信棟の中にはアンテナを駆動させたり、テレメトリと言われる衛星のデータを処理する装置が所狭しと並んでいます。
1月には58次柴田隊員とともにアンテナ設備の年次点検を行いました。
年次点検では、グリスやオイルの交換など機械系のメンテナンスや装置の動作確認を行います。
(作業しているのは59次隊の船木隊員)
夏期間は日照もありレドームの中はとても暖かいです。冬期間はグリスを温めないと固まってしまったり、アンテナの金属部分が冷えてしまったりと大変な保守作業となります。
レドームもブリザードの風雪や飛んできた砂などでダメージを受けていますので定期的に検査、補修を行います。
多くの隊員と協力しながら日々アンテナ設備の保全を実施しています。