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2018年9月
向岩GPS設置、カイトプレーンの運用
Report:Hajime Oishi
場所:昭和基地
第59次隊の大石 孟氏が、昭和基地から現地の様子をレポートしてくれました。
大石氏レポート
9月に入り野外活動が本格化してきましたので野外オペレーションの一部をご紹介したいと思います。
向岩GPS設置
向岩という昭和基地から大陸方面に5キロメートルほど離れた大陸の縁に測量用のGNSS(注)受信装置を取り付けに行ってきました。
向岩は以前内陸旅行の上陸点だったそうですが、現在はオングル海峡の氷状などの理由で先月ご紹介したとっつき岬より大陸に上陸します。
注:GNSS(Global Navigation Satellite System / 全球測位衛星システム)は、GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等の衛星測位システムの総称です。
大陸を背に走る雪上車

設置したGNSS受信装置

設置したGNSS装置はバッテリが続く限り測位衛星の電波を受信し続けます。受信したデータを解析し測地の研究に役立てるそうです。
カイトプレーンの運用
本務のアンテナ運用のほかに今次隊ではカイトプレーンという無人飛行機の運用作業を行います。
カイトプレーンはエンジンを搭載した無人飛行機で高度2000m以上の大気を調べるために南極に持ち込まれた機体です。
一度上空に上がってしまえば自動操縦機能を使用し自律飛行を行います。
ただし、離着陸などの作業は手動操縦しなければなりません。
翼が大きいためそり乗にせて滑走路(海氷上)まで移動します

雪上車に制御用の計算機を乗せ、
無線で飛行機の状態を確認したり飛行区域を指示します

風が強いと操縦が難しいですが、とても安定して観測することができました。
観測結果は南極での熱や水の循環に関する研究に使用されるそうです。