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2019年11月
南極越冬隊61次隊 落合哲氏 出発直前インタビュー

心境・準備

Q 南極観測隊員に応募した動機は。
A

海外旅行が趣味で、バックパックを背負って世界の全大陸を制覇したいと考えていました。
大学の研究室で南極観測隊のお話を伺う機会があり、いつかは機会があれば南極大陸にもチャレンジしたいと思いを持っていました。
NECネッツエスアイに入社したとき、当社から南極に隊員を送っていると知って、ゆくゆくは手を挙げたいと思っていました。去年急遽募集があったので、落とされてもいいからと思ってチャレンジしました。
大学の研究室では電波天文学を専攻し、パラボラアンテナを用いて何百時間も観測活動をしていました。南極ではこの頃の経験が活きると考えています。

Q 家族・同僚からどのような言葉をかけられましたか?
A

家族からは、もともと海外一人旅をしていたりすることから、チャレンジするなら応援するよと声をかけられました。
会社の人からは、安全第一、体調管理も仕事のうちだというのは南極でも変わらない。無事に帰ってきてください、とお声がけ頂きました。
OBの方からは、仕事をやるのは当たり前。そのうえで、全力で楽しんできてくださいと。

南極での仕事・生活について

Q 南極ではどのようなお仕事をするのですか?
A

多目的衛星受信システムの運用・保守がメインの担当です。
今年もVLBI(超長基線電波干渉法、注1)の実験を年に十数回実施予定です。
24時間観測や48時間観測は、学生時代もやっていたので懐かしい思いがあります。
夏の期間は建築・設営作業に全員で携わります。新しい建物を作ったり老朽化した建物を取り壊したりします。これらに必要な資格も取得し、人数が少ないのでお互い助け合って作業を行います。

(注1)VLBI(Very Long Baseline Interferometry)
数十億光年の彼方にある電波天体からの電波を、地球上の複数地点で受信し、到達時刻の差から相互の位置関係を宇宙を基準に割り出す。

Q 南極でやってみたいことは?
A

趣味でマラソンをやっているので、フルマラソンは安全上厳しいと思いますが、10kmもしくはハーフぐらいの距離は走りたいと思っています。
南極から中継で「南極授業」を実施しますが、大学は教育学部出身ということもあり、積極的に参加して、それに使えるような写真や動画を作りたいなと思っています。
いろいろな自然現象に自分としても興味がありますし、子供たちに広めるという活動に取り組みたいです。そういう映像を南極くらぶ(注2)で活用できれば。

(注2)南極くらぶ:当社が青少年育成支援の一つとして行っている出前授業

抱負・決意

Q いよいよ南極に向かうわけですが、抱負は?
A

仕事面では、30年間先輩方がずっとメンテナンスをしてきたアンテナなので、その歴史を感じながら、先輩たちの思いを受け止めて業務を行いたいと思います。自分も次の62次隊につなげられるように、しっかりと運用保守を続けていきたいです。
職場や家庭にも、1年半空けて迷惑をかけてしまいますが、行くからには全力で楽しめるところは楽しみたいと思います。国内では得られない経験が南極では得られると思うので、一回りも二回りも大きくなって、今後活躍できる人材となって帰ってきたいと思います。

全員のミッションが成功して初めて61次隊の成功と言えると思います。自分一人のオペレーションを遂行するだけでなく、観測隊員全員の仕事をどう完遂させるかを目標に協力して頑張りたいです。