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2020年3月
昭和基地での業務
Report:Tetsu Ochiai
場所:昭和基地
第61次隊の落合 哲氏が、昭和基地から現地の様子をレポートしてくれました。
落合氏レポート
昭和基地での業務
私の昭和基地での主な業務は、多目的大型アンテナの保守運用です。
このアンテナは、人工衛星からのデータ受信や地圏部門のVLBI観測(※)に使用します。
※VLBI(Very Long Baseline Interferometry):超長基線電波干渉法
天体からの電波を利用してアンテナの位置を測る技術です。
もともと電波天文学の分野から発展した技術でその精度の高さから測量にも応用されています。はるか遠くの天体が放つ電波と非常に正確な時計を使うことで、数千キロメートルも離れたアンテナの位置関係をわずか数ミリメートルの誤差で測ることができます。
3月は10日から11日にかけてVLBI観測を実施しました。
61次隊ではだいたい1ヶ月に1回のペースで観測を予定しています。
地圏モニタリング担当の小原隊員と共に24時間観測を行いました。
観測にともなうアンテナの操作やデータが正しく受信できているかの確認をするため衛星受信棟内で仮眠を取りながら24時間装置に向かいます。
他部門で人手が必要なときは業務支援にでかけます。
下の写真は、宙空部門HFレーダーの保守作業をしている時の様子です。
観測隊はどの部門も限られた人数で南極での業務にあたるため、部門の垣根を超えて、お互いに協力しあう日々となります。
また昭和基地にはアマチュア無線用のアンテナが設置してあります。
普段の業務経験を活かして、こちらのアンテナ保守の支援も行なっています。