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2025年12月
南極越冬隊67次隊 正木吏駆氏 出発直前インタビュー

心境について

Q いよいよ出発を迎えますが、今のお気持ちはいかがですか?
A

緊張と、不安が半々ですが、様々な領域のプロフェッショナルと仕事をしたり、一緒に生活できることは楽しみです。自分が身に着けた知識が、南極という厳しい環境下でどこまで通用するかは不安ですが、訓練などを通じてしっかり準備を行ってきましたので、自分ができることを一つ一つ確実に取り組んでいきます。

Q 入社から現在までのご経歴を教えてください。
A

入社以来、衛星通信に関するシステムや機器の試験などに従事してきました。時には、海外の工場で検査に立ち会うこともありました。

Q 南極に行くことは、入社前からの目標だったのでしょうか?
A

NECネッツエスアイに入社した理由は、衛星通信に関わる業務に携わりたいというものでしたが、当時はあまり考えてもいませんでした。たまたま昭和基地に関する業務を担当して南極に興味を持ち、自分も観測隊員として仕事をしたいと思ったのがきっかけです。

インタビュー時の正木氏

インタビュー時の正木氏

南極での仕事・生活について

Q 南極で担当される業務内容を教えてください。
A

VLBI(注1)による測地観測に使用する多目的大型アンテナと、データを受信するシステムの保守・運用、そのアンテナを覆うレドームと呼ばれる設備の修繕が主な作業です。そのほかにも、移動無線通信システム(BWA)の運用サポート、自然環境のモニタリング業務(注2)の支援なども担当します。前職はBWAに関する業務を担当していましたので、自分の強みや経験が活かせると思っています。

new window(注1)VLBI(Very Long Baseline Interferometry):超長基線電波干渉法
宇宙の遠くにある星から届く電波を、地上の複数のパラボラアンテナで受信し、そのタイミングの僅かな差からアンテナ間の位置を求める技術。観測データから、地球の形や向き、プレートの運動などの情報を得ることが可能。

new window(注2)衛星気候モニタリング

Q 南極で楽しみにしていることを教えてください。
A

仕事面では、設備や機材が限られ、上司や先輩のサポートが十分に受けられない厳しい環境下で、自分がどこまでできるのかに挑戦できるということです。自らの経験や知識が頼りであり、自らが考えて判断する必要があります。自分がもっとステップアップできるまたとない良い機会なので、壁が立ちはだかったとしても、楽しむ気概でチャレンジしていきたいと思っています。

仕事以外では、南極でしか撮影できない景色や動物をカメラに収めることです。しっかりと記録に残し、南極くらぶ(注3)などを通じて多くの人に共有できればと思っています。


(注3)南極くらぶ:越冬隊経験者が、南極での生活体験をもとに行う出前授業
new window出前授業「南極くらぶ」

抱負について

Q 抱負を教えてください。
A

30年以上の長きにわたり、先輩方が観測隊員としての業務を全うしてくれたおかげで、今も越冬隊の一員として参加できています。まずは、自分の任務を完遂すること、そして、次の隊員にしっかり引き継いで、バトンをつなげていきます。

Q 最後に、読者の皆様にメッセージを一言お願いします。
A

観測隊員の一員として行う仕事内容やその魅力、やりがいを「越冬隊の今」を通してお届けしていきます。ぜひ、楽しみにお待ちください。