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2024年6月
極夜とMWF
Report:Misaki Shimizu
場所:昭和基地
第65次隊の清水 岬氏が、昭和基地から現地の様子をレポートしてくれました。
清水氏レポート
極夜とMWF
極夜
極夜、すなわち、太陽が昇らない季節になりました。
私が想像していた極夜は1日中ずっと真っ暗な夜が続く日々です。
しかし、実際の極夜は明け方と夜の繰り返しでした。
昼の時間は太陽が出ていませんが明かりなしで外活動できます。
明るい時間が短いため、外作業での活動時間が短くなりました。
太陽が出ていないため気温は非常に低くなります。
寒い日は睫毛だけではなく鼻の中も凍ります。
特に寒い日は呼吸をすると、肺が苦しくなり、咳き込んでしまいます。
人間だけではなく機械も不調になります。
基地内の色々な装置でエラーが出てしまいます。
極夜期は車両の立ち上げも一苦労です。
私が南極の気温の低さで一番厄介だと感じたのはケーブルが凍ったように固くなってしまうことです。
外でケーブルを束ねることはできません。ケーブルを束ねたりする際は一度、室内に運び、暖める必要があります。
ミッドウィンターフェスティバル
極夜期、南極の各国の基地ではミッドウィンターフェスティバルが開催されます。
昭和基地でも毎年開催されています。
越冬半ばを無事経過したことを祝い、また、気が沈みがちな極夜を乗り切ろうというお祭です。
昭和基地では橇遊びや出し物、料理対決をしました。
ミッドウィンターフェスティバルの目玉は調理担当によるフルコースディナーです。
フルコースのためにスーツを久しぶりに着用しましたがベルトを閉めることができませんでした。この日、改めて肥えてしまっていることを実感しました。
※ 掲載協力:国立極地研究所