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2023年11月
南極越冬隊65次隊 清水岬氏 出発直前インタビュー

心境

Q 出発を控えた今のお気持ちはいかがですか?
A

一言で言うと、とても楽しみです。写真でしか見たことがない光景を実際に見られること、南極という特殊な環境にある機器などに実際に触れられることが特に楽しみです。南極大陸での滞在や「しらせ」への乗船など、普通に生活していたらできないことが経験できるので、ワクワクしています。また、様々な業種で異なる専門分野を持つプロフェッショナルが南極地域観測隊に参加されているため、普段の業務では関わる機会のない方々と一緒に生活をして交流できることも魅力であり、楽しみの一つです。

Q 南極行きが決まった際の周囲の反応はいかがでしたか?
A

入社前から「行きたい」と公言していたので、家族や友人からは「おめでとう!」や「頑張ってね!」とお祝いや励ましの言葉をもらいました。

Q 社内選考で越冬隊員が選出されますが、そのために頑張ったことや意識したことはありましたか?
A

南極での生活はチームワークや思いやりが大事だと聞いていましたので、コミュニケーション能力を磨くことを特に意識しました。隊では積極的に声をかけて、全員が気持ちよく過ごせるようにしたいと思います。また、NECネッツエスアイの業務では離島などに出張する機会があり、現場の限られたものだけで考えて対処しなければならない、ということを経験しました。これは南極での活動にも通じるものがあると思いますので、活かしていきたいです。

インタビュー時での清水氏

インタビュー時での清水氏


南極での仕事・生活について

Q 南極ではどのようなお仕事をされるのか教えてください
A

VLBI(超長基線電波干渉法、注1)観測に使用する、多目的衛星受信システムとアンテナ、それに付随する機器などの保守・運用を行います。プレート運動や地球の自転速度などの観測に欠かせない設備であり、得られるデータは大変貴重ですので、責任をもって職務を全うしたいと思います。

(注1)VLBI(Very Long Baseline Interferometry)
数十億光年の彼方にある電波天体からの電波を、地球上の複数地点で受信し、到達時刻の差から宇宙を基準相互の位置関係を宇宙を基準に割り出す技術。

多目的アンテナ【画像提供:国立極地研究所】

多目的アンテナ【画像提供:国立極地研究所】


Q 南極での生活で楽しみなことは何ですか?
A

魚釣りが趣味なので、漁協係の活動が非常に楽しみです。漁協係とは、魚類の生態調査のために魚釣りなどを行う係であり、南極で越冬隊員それぞれが担当する係活動の一つです。日本では見ることができない南極ならではの魚を釣ることができますが、特に、南極大陸の周辺海域に生息している「ライギョダマシ」という魚については、昭和基地におけるサイズの記録更新を狙いたいと思っています。(記録を更新してしまうと研究のため食べられないのは残念ですが…笑)
また、オーロラを撮影することも楽しみにしていることの1つです。私が滞在している期間は、太陽が活発に活動をしている時期と重なるため、特に綺麗に見えるようです。様々な色のオーロラを撮影したいと思います。

Q 訓練や移動に関して、例年との違いや変化はありますか?
A

新型コロナウイルスの5類移行に伴い、隊員の交流行事や訓練などを対面で行う機会が増えたことです。また、南極への移動方法も変わります。昨年までは日本から「しらせ」に乗船し、南極に直接向かっていたのですが、今年は飛行機でオーストラリアまで移動し、そこから「しらせ」で南極に向かいます。いずれもコロナ前に戻った形になるかと思います。

抱負・決意

Q 抱負を教えてください!
A

NECネッツエスアイが長年携わってきた越冬隊という重みあるバトンを、次の隊員に胸を張ってしっかり受け渡せるようにしたいと考えています。また、65次隊の活動が無事に完遂できるよう貢献していきたいと思います。

Q 最後に、このサイトを見てくれている皆さんに一言お願いします!
A

このサイトで様々なレポートを発信していきますので、楽しみにしていてください。NECネッツエスアイグループ7,000人の代表として、責任感を持って参加してきます!