Breadcrumb navigation
2024年8月
ブリザード
Report:Misaki Shimizu
場所:昭和基地
第65次隊の清水 岬氏が、昭和基地から現地の様子をレポートしてくれました。
清水氏レポート
ブリザード
多目的アンテナの半年点検と3ヶ月点検
8月末に最大瞬間風速47.1 m/sのA級ブリザードが来襲しました。
積雪もありましたが、建屋の屋根を吹き飛ばすという甚大な被害が出ました。
ブリザードが来ることは事前に天気予報で知ることができ、事前にブリザード対策をする必要があります。
ブリザード対策としては車両のエンジントランク中に毛布を詰めたり、扉が開かないように紐で縛ったり、外に出している物を片付けたりします。
どんなに小さい隙間からでも雪が入り込んでしまうため可能な限り塞ぐ必要があります。
ブリザードが来ると気温が上がることから、
機器の排熱で常日頃から暖かい衛星受信棟では室温にも気を使います。
ブリザード中は隊長から外出に関する2種類の令が発令されます。
1つ目は外出注意令です。これは2名以上で無線機と個人用ライフロープを持っている状態に限り基地主要部間の移動を許可するというものです。また、移動の際は昭和通信に移動の連絡をして、建屋間に設置されたライフロープ沿いに個人用ライフロープを繋げて移動する必要があります。
2つ目は外出禁止令です。これはいかなる理由でも外出を禁ずるというものです。
ブリザード中の移動は視程が悪く、風も強いことから非常に大変です。
場合によっては目の前を歩いている人が見えなくなります。
ライフロープを頼りに移動します。
ブリザード後は被害の状況を確認します。
また、積雪が多く移動が困難になることから除雪を行います。
各建屋の非常口が開くように除雪をすることも重要です。
前を行く人のヘッドライトだけがわずかにみえる
※ 掲載協力:国立極地研究所